Reactはフレームワーク?ライブラリ?Reactの正しい位置づけと役割を初心者向けに解説!
生徒
「Reactってよく聞きますけど、フレームワークなんですか?ライブラリなんですか?」
先生
「良いところに気づきましたね。Reactは『ライブラリ』として紹介されることが多いですが、その意味をしっかり理解することが大切です。」
生徒
「フレームワークとライブラリって何が違うんですか?」
先生
「とても重要なポイントです。では、Reactの基本的な位置づけから丁寧に説明していきましょう。」
1. Reactはフレームワークではなくライブラリ
React(リアクト)は、Facebook(現Meta)が開発したUI(ユーザーインターフェース)を構築するためのJavaScriptライブラリです。ライブラリとは、必要な機能を必要なタイミングで呼び出して使える“便利な道具箱”のような存在で、開発者が主体となってアプリの構成を決められます。
一方で「フレームワーク」は、アプリ全体の流れや構造をあらかじめ用意し、それに沿って作っていく“完成までの設計図”のようなものです。開発者はその枠組みに従う必要があります。
Reactは画面(UI)づくりに特化したライブラリであり、アプリ全体の設計には干渉しません。そのため、どのツールと組み合わせるか、どんな構成にするかを自由に決められる柔軟性があります。これがReactが“ライブラリ”と呼ばれる理由です。
たとえば、以下のように非常にシンプルな形で画面要素を作ることができます。これこそが「部品として使える」というライブラリの特徴です。
import React from "react";
// Reactの基本:小さな部品(コンポーネント)を作る
function Hello() {
return <h1>こんにちは、React!</h1>;
}
export default Hello;
このようにReactは「まず小さな部品を作り、それらを組み合わせて画面を構築する」という思想を持っています。フレームワークのようにルールで縛られず、自由に組み立てられることこそがReactの魅力であり、ライブラリとしての大きな特徴なのです。
2. Reactのライブラリとしての特徴
Reactの大きな特徴は、画面をコンポーネントという小さな部品に分けて考えられるところです。ヘッダー、ボタン、フォーム、フッター…といったパーツごとにコンポーネントを作り、それぞれを独立して管理します。パズルのピースを組み合わせるようにアプリ全体のUIを構成できるので、画面が増えても「どこを直せばいいか」がわかりやすくなります。
もうひとつの大事なポイントが、Reactが採用している仮想DOM(Virtual DOM)です。仮想DOMは、ブラウザに表示されている画面の“控え”のようなもので、まずはこの仮想DOM上で変更をシミュレーションし、「本当に更新が必要な部分だけ」をブラウザに反映します。その結果、画面全体を毎回描き直さなくて済み、表示が滑らかで動作が軽いというメリットがあります。
イメージしやすいように、コンポーネントを分けて画面を作るシンプルなサンプルを見てみましょう。
import React from "react";
// タイトル部分だけを担当するコンポーネント
function Title() {
return <h1>Reactのコンポーネント例</h1>;
}
// ボタンだけを担当するコンポーネント
function MyButton() {
return <button>クリックしてみよう</button>;
}
// 部品を組み合わせて1つの画面にするコンポーネント
function App() {
return (
<div>
<Title />
<MyButton />
</div>
);
}
export default App;
この例では、TitleとMyButtonという2つのコンポーネントを用意し、それらをAppの中で組み合わせています。あとからボタンの文言を変えたいときはMyButtonだけを直せばよく、タイトルの見た目を変えたいときはTitleだけに意識を向ければ大丈夫です。Reactの「ライブラリとしての特徴」は、こうしたコンポーネント分割と仮想DOMによる効率的な画面更新により、初心者でも扱いやすく、複雑なUIも整理しながら作りやすいところにあります。
3. なぜReactはフレームワークと間違えられやすいのか?
「Reactはフレームワークなのか?ライブラリなのか?」と迷ってしまう一番の理由は、実際に触ってみると“ほぼフレームワークのように使えてしまう”からです。React単体はUIライブラリですが、画面の表示・イベント処理・状態管理など、Webアプリに必要な多くのことをこなせるため、「これだけで全部作れるのでは?」と感じやすいのです。
さらに、Reactの周辺には非常に多くのライブラリやツールが存在します。画面遷移を担当するReact Router、グローバルな状態管理を行うReduxやRecoil、プロジェクトのひな型を作ってくれるCLIツールなどを組み合わせると、Reactを中心としたひとつの“開発環境セット”が出来上がります。この姿が、まさにフレームワークのように見えるポイントです。
イメージしやすいように、「画面の切り替え」と「コンポーネント」を組み合わせた、とてもシンプルな例を見てみましょう。細かい記述をすべて理解できなくても、「Reactの外側にルーティング用の部品を足しているんだな」くらいのイメージが持てれば十分です。
import React from "react";
import { BrowserRouter, Routes, Route } from "react-router-dom";
function Home() {
return <h1>ホーム画面</h1>;
}
function About() {
return <h1>このサイトについて</h1>;
}
function App() {
return (
<BrowserRouter>
<Routes>
<Route path="/" element={<Home />} />
<Route path="/about" element={<About />} />
</Routes>
</BrowserRouter>
);
}
export default App;
このサンプルでは、画面表示そのものはReactコンポーネントが担当し、「どのURLのときにどのコンポーネントを見せるか」という仕組みはReact Routerが担っています。つまり、React本体はあくまでライブラリでありながら、周辺ツールを足していくことで「フレームワークのようなまとまり」に見えるのです。この“まとまり感”があるために、Reactはフレームワークと間違えられやすい、というわけです。
4. フレームワークとライブラリの違いを例えてみよう
フレームワークとライブラリの違いは、初心者にとって少しイメージしづらい部分です。そこで、日常生活に近い例えを使って理解しやすくしてみましょう。まず、ライブラリは「レゴブロック」のような存在です。必要な形のブロックを自分で選び、どんな形にするかを自由に決められます。作り方も自由で、組み合わせ方に“正解”はありません。
一方で、フレームワークは「プラモデル」のようなものです。箱を開けると説明書があり、完成までの手順が細かく決められています。そのおかげで効率よく作れますが、自由に形を変えたり、違う組み方をしたりするのは難しくなります。
これらを踏まえると、Reactがどちらに近い存在かが見えてきます。Reactはレゴブロックのように、開発者が自由に組み合わせて使うことを前提とした「UIを作るためのライブラリ」です。どのツールと一緒に使うか、どう組み立てて画面を作るかはすべて開発者の選択に委ねられています。
よりイメージしやすくするために、「レゴブロック方式」で部品を組み合わせる感覚に近いシンプルな例を見てみましょう。
import React from "react";
// 小さな部品(コンポーネント)を作る
function Header() {
return <h1>レゴのように組み立てるReact</h1>;
}
// パーツを組み合わせる
function Description() {
return <p>これは複数の部品を自由に配置して作られた画面です。</p>;
}
// レゴのように画面を完成させる
function App() {
return (
<div>
<Header />
<Description />
</div>
);
}
export default App;
このように、Reactは必要な部品を好きなだけ組み合わせて画面を作れる柔軟な仕組みを持っています。フレームワークのようにルールで固められていないため、「自分で考えて組み立てていく楽しさ」を味わえる点が、多くの開発者に愛されている理由のひとつです。
5. Reactを使った基本のサンプルコード
Reactがどのように画面を作っているのかを、まずはとてもシンプルな例で体験してみましょう。ここでは「ボタンを押すとメッセージが変わる」という、初心者でも動きが理解しやすいミニアプリを作ります。Reactでは、画面に表示する内容を“コンポーネント”としてまとめ、そこに必要な状態(State)を持たせることで動きを表現できます。
import React, { useState } from "react";
function App() {
// message(表示する文字)と setMessage(その文字を変更するための関数)
const [message, setMessage] = useState("こんにちは!");
return (
<div>
<h1>{message}</h1>
<button onClick={() => setMessage("ボタンがクリックされました!")}>
クリックしてみよう
</button>
</div>
);
}
export default App;
このコードでは、useStateというReactの機能を使って「現在のメッセージ」を管理しています。最初は「こんにちは!」が表示されますが、ボタンが押されるとsetMessageが呼ばれ、表示される文字が「ボタンがクリックされました!」に切り替わります。難しい仕組みに見えるかもしれませんが、実際には“表示したい文字をStateで持っておき、ボタンを押したら書き換える”というシンプルな動作です。
プログラミング未経験の方でも、「ボタンを押したら画面の表示が変わる」という体験を通して、Reactがどのように画面を動かしているのかが自然と掴めるはずです。こうした小さなアプリを積み重ねることで、Reactの基本的な仕組みを無理なく理解していけます。
6. Reactのライブラリとしての活用法
Reactをライブラリとして使う最大のメリットは、他のツールや仕組みと組み合わせやすい点です。例えば、Next.js(ネクストジェイエス)というReactベースのフレームワークと組み合わせることで、サーバーサイドレンダリング(SSR)も可能になります。これにより、画面表示が速く、SEO対策にも有利です。
また、TypeScript(タイプスクリプト)と組み合わせれば型安全なコードを書け、バグを減らすことができます。さらに、CSSフレームワークのBootstrapやTailwind CSSと組み合わせることで、スタイル調整も簡単にできます。初心者でも部品を組み合わせて効率的に画面を作れるのが、Reactの大きな魅力です。
たとえば、以下のサンプルでは、ボタンとタイトルの部品を組み合わせて簡単な画面を作っています。Reactを使えば、このように小さな部品を組み合わせて自分好みのUIを自由に構築できます。
import React from "react";
function Title() {
return <h1>Reactと他のツールを組み合わせる例</h1>;
}
function MyButton() {
return <button>クリックして体験してみよう</button>;
}
function App() {
return (
<div>
<Title />
<MyButton />
</div>
);
}
export default App;
このサンプルを通して、Reactが「ライブラリ」として柔軟に他の仕組みと組み合わせられること、そして自分でUIを組み立てる楽しさを体験できます。小さな部品を組み合わせて画面を作る感覚を覚えておくと、実際のアプリ開発でも応用しやすくなります。
7. Reactを始めるときに知っておくと安心なこと
Reactはとても人気があるため、インターネット上にたくさんの情報があります。困ったときには、検索すればすぐにヒントが見つかるでしょう。
また、Reactの公式サイトには初心者向けのチュートリアルやドキュメントが充実しています。「React ライブラリ」「Reactとは」「React UIライブラリ」などのキーワードで調べると、役立つ情報がたくさん出てきます。
まずは「Reactは画面を作るための部品(ライブラリ)」という理解をもって、一歩ずつ学んでいきましょう。
まとめ
Reactの位置づけを理解することは、これからWebアプリケーションを構築していく中でとても重要な基盤となります。今回の記事では、Reactがフレームワークではなく「UIを構築するためのライブラリ」であること、そして自由度の高さによってさまざまな技術と組み合わせて使える柔軟な特徴を持つことを学びました。フレームワークのように感じられることがあるのは、周辺ツールが豊富であり、画面遷移や状態管理、データ取得など多くの領域を補完する仕組みが揃っているためです。しかしReact単体は全体構造を強制する仕組みではなく、開発者自身が設計しながら組み立てていくライブラリという立ち位置を保っています。 さらにReactでは、コンポーネントという単位で画面を部品化することで、プロジェクトの規模が大きくなっても構造を見失わず整理された形で開発を続けられる利点があります。例えばボタン部分だけを独立させて再利用したり、ページ全体を分割して管理しやすくしたりと、使えば使うほど恩恵を感じられる設計思想が込められています。こうした考え方は、単に動くUIを作るだけでなく、保守性、拡張性、開発効率、そしてチームで開発するときの役割分担にも大きく影響します。 またReactは、Next.jsやTypeScript、Redux、Recoil、React Routerなどと組み合わせることで、より高度なアプリケーションへ発展させることができます。小さなUI表示から始まり、徐々に外部データ取得、画面遷移、状態管理といった領域に踏み込むことで、アプリケーション全体が形作られていきます。この柔軟さこそがReactが長く支持され続ける大きな理由のひとつであり、初心者が学びながらスキルアップする分岐点にもなります。 今回学んだ例を実際に動かしてみることは理解を深める最適な方法です。ここではシンプルな例をもう一つ記載し、ライブラリとしての役割とコンポーネント設計の流れを再確認できる形にまとめました。
サンプルプログラム:ライブラリとしてのReactを意識した構造例
import React, { useState } from "react";
function Title({ text }) {
return <h2>{text}</h2>;
}
function ActionButton({ onClick }) {
return (
<button class="btn-primary" onClick={onClick}>
切り替える
</button>
);
}
export default function App() {
const [message, setMessage] = useState("最初のメッセージです。");
return (
<div class="container">
<Title text={message} />
<ActionButton onClick={() => setMessage("メッセージが更新されました。")} />
</div>
);
}
このコード例では、表示だけを担当するコンポーネント、イベント処理を担うコンポーネント、そして状態管理を行う親コンポーネントがそれぞれ役割を分担しています。Reactを画面構築のためのライブラリとして扱うと、こうした明確な責務分離が自然に行われやすくなり、プログラム全体の見通しも良くなります。また、役割がはっきりしていることで、コンポーネントの再利用が簡単になり、アプリケーションの設計がより整理されたものになります。 さらに、Reactはコンポーネントを単純な部品として定義するだけでなく、必要に応じて外部ツールと組み合わせることで、機能を段階的に拡張できます。画面遷移にはReact Router、データ取得にはSWRやReact Query、より高度な状態管理にはReduxやRecoil、アプリ全体の構造を整えるならNext.jsなど、目的に応じて最適な選択を自分で組み合わせられる点が大きな特徴です。そのため、Reactを学ぶときは、一気にすべてを理解しようとせず、小さな単位から徐々に組み立てていくことが大切です。 今後Reactを学び続ける際には、単にコードを書くのではなく、「なぜこの構造にするのか」「どこまでをReact本体で扱い、どこからを周辺ツールに任せるのか」という視点を持つことで、一段上の開発者へ近づくことができます。Reactはただの表現手段ではなく、設計を考えるための指針にもなります。自分の作りたいアプリに合わせて最適な組み合わせを選びながら、より魅力的なWeb体験を提供できる開発者を目指しましょう。
生徒
「今日の内容で、Reactが単に画面を作るための部品を提供するライブラリだという理解が深まりました。たしかに自由に組み立てられるところが魅力だと思いました。」
先生
「その通りですね。自由に組み立てられるという特徴はとても大切で、開発者自身がどのように設計するかを考える力にもつながります。フレームワークと違い、決められた構造に従う必要がないぶん、設計の幅が広いのです。」
生徒
「Next.jsやReduxと組み合わせることで大規模なアプリも構築できると知って、Reactがなぜ多くの人に使われているのか納得できました。今後はコンポーネントの設計を意識して学びを深めていこうと思います。」
先生
「素晴らしい視点です。まずは小さなアプリから始めて、少しずつ周辺ツールを取り入れながら構造を理解していくと着実に力がつきますよ。ぜひ継続して取り組んでいきましょう。」